相続のカタチ

共同相続人との話し合いがまとまらなかったら、 どうすればいい?

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話し合いが平行線なら、家庭裁判所での手続きを検討する。

「相続」とは、亡くなった人の権利や義務を承継する(引継ぐ)こと。

相続する人が一人の場合、その手続きは問題なく進んで行くことが大半です。
では、権利を承継する相続人が一人ではない場合はどうでしょう。

もちろん、相続人が多くてもすんなり話がまとまることもあります。
しかし、それぞれの考え方や他の家族との関係性、そのときの事情によって相続や相続財産に対する考え方が異なり、平行線のままという場合も。
そんな時はどのように解決すればいいのでしょうか。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所で裁判官(審判官と呼ばれることもあります)や調停員を交えた遺産分割調停により、当事者間の話し合いを進めます。
それでも分割について合意ができず、解決が難しい場合は、調停は不成立となって調停手続きは終了します。

その後は、審判手続きに移行し、全ての事情を踏まえたうえで裁判所の審判という形で「分け方が決まる」ことになります。
この裁判所の判断に対する不服申立は、「即時抗告」という裁判上の手続き方法で行います。

手続きが裁判所より簡便・迅速な、裁判外紛争解決手続の利用も検討の価値あり。

調停は当事者の話し合いを進める手続きであり、裁判所での手続きの中では比較的利用しやすいものと位置付けられます。
しかし「裁判所」=「揉めごと」といったイメージもないとはいえず、裁判所からの書類が届いたことで相手方が身構えてしまうことも考えられます。

当事者だけの話し合いではなく、専門的な知見を持った第三者を交えて話し合いたい時には、
裁判外紛争解決機関(いわゆる「ADRセンター」)の利用を検討してみるのもいい考えです。

ADRセンターはその名のとおり、紛争(揉めごと)の解決を裁判外で図るために設置されています。

「スポーツに関する紛争」や「商品(自動車)の欠陥に関する紛争」など、目的に応じて設置されているものもありますが、特に法律問題に関する紛争や相続に関する紛争を取り扱う場として、弁護士会や司法書士会が設置したADRセンターが全国各地にあります。

この機関を活用する場合は、あくまでも任意での話し合いによる合意成立を目的としています。

メリットは、裁判所での調停手続きなどと比べて簡便・迅速と言われ、
法務省によると、紛争解決機関での8割以上の事件が6ヵ月以内に終了し、7割以上の事件が3回以内の審理で終了しているとされています。

また、利用前に手続きの開始から終了までの標準的な進行や、支払う報酬・費用などが事前に説明されるため、それがふさわしい解決方法なのかをよく考えた上で利用することができます。

また、平日は仕事があるので土・日が良いなど、開催日時がある程度柔軟に設定できる点もメリットの一つです。

一方で、デメリットとされる点では、合意が成立した結果であっても任意に履行できない場合には、裁判(審判)のような強制力がないことが挙げられます。
また、手続きを開始したとしても合意できない場合には、結果として裁判所の手続を利用せざるを得ません。

とはいえ、お互いに話し合う余地のある場合には、ADRセンターを利用することで中立な立場である手続実施者(第三者である専門家)を交えた話し合いができ、
お互いの考えや意見を交換し対話が進めやすい場となることで、お互いに納得した結果に至りやすいことが期待されるのではないでしょうか。

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