相続のカタチ

遺言書には、遺言執行者の選定を忘れずに。

遺言は亡くなった人の最後の意思とも言われることもあります。
しかし、その内容の実現には預金の解約手続きや不動産登記など、複雑な相続手続きが待っています。

そうした事態を軽減するために、遺言の中に遺言執行者を定めておいてはどうでしょうか?

遺言執行者の役割とは?

遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために、不動産の名義変更・相続財産の管理や預金・有価証券の解約など、相続に関する手続きを行う役割を担います。

なぜ必要なのか?

相続の状況によっては遺言執行者を選任する必要性が高い場合があります。
遺言書によって非嫡出子の認知をするなど、場合によっては遺言執行者を必ず選任しなければならないこともあります。


○具体的な例

➀家族に負担をかけたくない場合

遺言執行者がいない場合、相続手続きに必要な書類を収集したり、不動産の名義変更や預金・有価証券の解約をしたりするなど、さまざまな手続きを相続人が自ら行わなければなりません。
しかし、遺言執行者を選任しておけば手続きを単独で行えるようになるため、相続人である家族に負担がかかりにくくなります。

➁遺言書によって不利な相続となる相続人がいる場合

手続きに協力しない相続人がいることで、相続手続きがなかなか先に進まないという事態になりがちです。
こうした場合でも遺言執行者を選任しておけば、協力しない相続人に代わって単独で必要な手続きが行え、トラブル防止にもつながります。

➂相続権をはく奪したい相続人がいる場合

この場合は、遺言執行者の選定が必要です。
遺言者に対して暴力を振るっていたり、それに等しい侮辱をしていたり、また相続人の非行が顕著な場合は、遺言者の意思に基づいてその相続人の相続資格を剥奪する「廃除」という制度があります。
遺言で廃除の意思を表示していた場合には、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申立てを行い、家庭裁判所が審判で廃除を認めると相続人の資格を奪うことができます。

誰に依頼するの?

未成年者または破産者以外であれば、誰でも遺言執行者になれます。
ただし、相続手続きが煩雑な場合は司法書士等の専門家に依頼し、遺言執行者になってもらうことで相続手続きをスムーズに進めやすくなります。

最後に

相続手続きに詳しくない相続人を遺言執行者に選んでしまうと、その相続人だけに重い負担がかかってしまうので注意が必要です。

まずは信頼できる相続の専門家にご相談ください。

 

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